【栃木県足利市】高齢者に向けた新たな取り組みをスタート

健康二次被害防止コンソーシアム会員である栃木県足利市の、高橋保健師長にお話を伺いました。


Q: コロナ禍で足利市さんが抱えている健康課題を教えてください

A:もともと足利市は、高齢者のサロンや元気アップサークルなど、地域コミュニティが盛んなまちですが、
  新型コロナの影響で多くの活動が中止されました。
  活動が再開されても、「出かけるのが億劫になった」という方が多いようです。
  また、「動けなくなった」や「心が晴れない」という声も聴かれます。

Q:その状況にどのように対応されたのでしょうか?

A:コンソーシアムのリーフレットで、健康二次被害防止のためには「人との関わりが大事」と見て
    何とかしなければと、民生委員の会議でリーフレットを説明し、全員に配布しました。
   もともと足利市の民生委員は「友愛訪問」という市民宅に訪問する活動を行っていたのですが、
   コロナ禍でやりづらくなっているところもありました。
      しかし年末の友愛訪問の際に、民生委員がお一人おひとりに対面で、過度な自粛で健康二次被害のリスクが高まることや
      予防のために運動や人との交流が大事であることを、リーフレットを使いながら伝えるようにしました。

Q:住民の皆さまの反応はいかがですか?

A:「こころの病」や「認知機能の低下」など、ご自身でも思い当たる方が多いようで反応が大きいです。
  リーフレットがイラストや大きな文字で理解しやすく、高齢の方からも分かりやすいと評判です。
   民生委員からも「専門家でなくても説明しやすい」という声があがっています。

Q:活動にあたって、工夫したことがあれば教えてください

A:「リーフレットを回覧板でまわしたい」と希望する地域もありましたが、対面で渡すことにこだわっています。
    ひとりでも多くの方に「人との交流」と、「外へ出るきっかけ」を作ってもらいたいからです。
    すぐに実施が難しいところもあるので、民生委員をはじめ、地域の支援者から希望を募り、やれるところから着手しています。
    思った以上に反応があり、すでに3400枚以上のリーフレットが配布されました。

Q:活動にかける想い、今後について教えてください

A:コロナの感染予防の知識はほとんどの方が身につけましたが、健康二次被害についてご存じの方は 非常に少ないのが実態です。
  このままでは、コロナが明けたら動けない体になってしまう方が多いはず。
  それを防ぐためのキーワードは、「筋肉」と「人との関わり」だと思っており、 民生委員や健幸アンバサダー(※)など、
  地域の支援者とともに市民の皆様に伝え続けていきます。  ※健康に関する正しい知識を身近な人に伝えるインフルエンサー

 

写真:民生委員がリーフレットをもって友愛訪問をする様子