健康二次被害とは

コロナ禍で急増!
新型コロナウイルスが引き起こす「健康二次被害」とは?

外出を控え、運動不足になったり、人との関わりが少なくなると思わぬところで体や心のおとろえが進み、「健康二次被害」を引き起こします

  • 免疫力の低下

    免疫力の低下
  • 肥満や生活習慣病の悪化

    肥満や生活習慣病の悪化
  • ストレスによるこころの病

    ストレスによるこころの病

病気の重症化、うつへ

とくに高齢の方は注意!

  • 筋力低下による転倒・骨折

    筋力低下による転倒・骨折
  • 認知機能の低下

    認知機能の低下

要介護・寝たきりへ

久野 譜也
筑波大学大学院教授・医学博士久野 譜也
運動量や人とのかかわりが減ると、免疫機能が活性化できずに、免疫力が下がり、コロナにかかりやすく、また重症化しやすくなります。
それだけではなく、別の病気を引き起こしたり、将来の寝たきりリスクを高めることにもつながるのです。
コロナを予防するためにも、健康二次被害を減らすためにも、適切な感染症対策をしたうえで、運動をするようにしましょう。
健康二次被害を防ぐための基本の対策

マスク、手洗い、3密回避。
基本の感染予防を徹底しながら、免疫力を高め、健康二次被害を防ぎましょう

  • 1.適度な運動(有酸素運動と筋トレ)をする

    外出を控えると、日常の運動量が大きく減ります。
    運動は、免疫力を高めるのはもちろん、心身の健康を維持するのに欠かせません。
    激しすぎない適度な運動(有酸素運動と筋トレの両方)を習慣にしましょう。

    ●運動は感染・重症化のリスクが低いことがわかっています

    • ①適度な運動は免疫力を高める
    • ②運動している人は感染・重症化しづらい

      運動習慣のある人は

      • 感染する危険が少なくなる
      • 万が一、感染しても死亡する危険が少なくなる

        ※運動習慣者は、市中感染リスクが31%低減され、感染症による死亡(おもに肺炎)のリスクが37%減少

        (Chastin et al. Lancet 2020)

    図

    ●有酸素運動と筋トレの両方を行いましょう

    有酸素運動 1日の平均歩数8,000歩以上(高齢の方は7,000歩以上)を目標に
    ※歩数が少ない日があっても1週間で平均して8000歩/日ならOK
    筋トレ 太ももの筋肉をきたえるスクワットなど、10回3セット・週3回を目安に

    自分に合った正しい運動を教えてもらえる、インストラクターのいる運動施設を活用するのもおすすめです。

  • 2.正しい食事をする

    外出を控えると、カロリー消費が減り、太りやすくなります。
    肥満は、さまざまな生活習慣病を引き起こす原因です。
    また、乱れた食生活は、免疫力の低下も招きます。
    1日3食、バランスの良い食事をこころがけましょう。
    筋力を落とさないために、たんぱく質摂取も大切です。

  • 3.質の高い睡眠をとる

    睡眠不足は、免疫力を一気に落とします。
    寝つきを良くし、ぐっすり眠るようにするには、日中の過ごし方がカギです。 日中に、日光にあたり、適度に運動をすると、よく眠れるようになります。
    寝る2時間前からは、何も食べないようにしましょう。

  • 4.人とのかかわりを持つ

    私たち人間は、人との関わりが少なくなると、気づかぬ間に、ストレスや不安が大きくなります。
    ストレスや不安があると、免疫力が下がり、睡眠も妨げます。 また、人との交流や会話が減ると、認知機能の低下にもつながります。
    感染予防対策をとったうえで、できる限り、外に出たり、人と直に会って会話することが大切です。

Stay active,Stay healthy
 ーアクティブに、健康に
感染予防とともに健康にも目を向けて!
「健康二次被害」を防ぎましょう

「コロナフレイル~筋力低下が引き起こす転倒・骨折~」を防ぐ

東京大学 高齢社会総合研究機構・未来ビジョン
研究センター 教授
医師・医学博士 飯島 勝矢

医師・医学博士 飯島 勝矢 先生

こんな変化はありませんか?

  • 散歩や買物などで外出することが減った
  • 歩くスピードが以前より遅くなった
  • 他の人との交流が減った(例えば週1回未満)
  • 買物に行けないなどで、バランスの良い食事ができていない
  • 他の人に同じことを何度も尋ねるようになり、物忘れが気になるようになった
  • 以前と比べると、ふくらはぎが細くなった
  • 家族や友人との接触も減ったため会話が減り、滑舌が悪くなってきた
  • 最近、楽しいと感じることがほとんどない

複数あてはまった人は要注意!フレイルになりかけているかもしれません!

「コロナフレイル」って?

新型コロナウイルス感染症予防のために、生活不活発(外出の自粛で社会参加が制限されたり、自宅にいる時間が増えるなど)になった結果、体力や気力が低下して、一気に老化が進むこと。

新型コロナウイルス感染症予防のために、生活不活発(外出の自粛で社会参加が制限されたり、自宅にいる時間が増えるなど)になった結果、体力や気力が低下して、一気に老化が進むこと。
フレイルを防ぐための3か条
  • 1.筋トレと日にあたる運動

    フレイルを防ぐには、筋肉を減らさないこと、そして関節が固くならないようにすること。そのために、筋肉を動かす運動(筋トレ)をすることを心がけましょう。また、骨の健康のためには、日光にあたることも大切です。適切な感染予防をしつつ、外に出るようにしましょう。自分に合った正しい運動を教えてもらえる、インストラクターのいる運動施設を活用するのもおすすめです。

  • 2. 筋肉を減らさない食事

    低栄養の食事はフレイルを加速させるとともに、免疫力も下げてしまいます。とくに「たんぱく質」が不足すると、筋肉量も減少してしまいます。フレイルを予防するためにも、高齢の方ほど意識して、たんぱく質をとるようにしましょう。

  • 3. 家族や友人と支えあう

    ちょっとしたあいさつや会話も大切です。人との会話は、認知機能低下の予防になります。コロナについても、正しい最新情報を共有することでストレスや不安の解消に役立ちます。感染予防をしながら、人との交流の機会を持つようにしましょう。

いきすぎたステイホームが生活習慣病をつくる

順天堂大学国際教養学部
グローバルヘルスサービス領域 教授
医師・医学博士 田中 好史

医師・医学博士 田中 好史 先生

元静岡県健康福祉部理事(保健師)
土屋 厚子

土屋 厚子 先生
コロナ禍で気づかないうちに体を動かす機会が減っています
コロナ禍で気づかないうちに体を動かす機会が減っています

※日本の都市部在住の高齢者(1600名、男女比1:1、平均年齢74歳±5.6歳)を対象にした調査で、2020年1月と4月では身体活動量が約3割減少していた。
Yamada M. et al.J Nutr Health Aging.2020;24(9):948-50

家でじっとして動かないでいると…

※健康な高齢者が2週間、家であまり動かないでいると脚の筋肉量が3.7%減少。
60〜80歳の日本人は平均で1年に約1%ずつ脚の筋肉が減っていくことから約3.7年文に相当。
J Clin Endocrinol Metab. 2013;98(6):2604 – 2612.

※座位と30分ごとに3分間歩行やレジスタンス運動(筋力トレーニング)をした場合の比較で、座位の方が食後血糖値の高い状態が続いた。
Paddy C. Dempsey et al. Dia Care 2016;39:964-972

だから、意識して体を動かすようにしましょう!

健康二次被害を防止するために

運動量人とのかかわり
増やしましょう
  • 「歩く速度が遅くなった」や「物忘れが増えた」など、日常生活で変化したことを確認しましょう。
  • 心身ともに健康でいるためには、運動・スポーツを続けることが大切です。
  • 感染予防に努めながら、買い物や園芸作業など、外出して体を動かしましょう。
  • 感染予防対策がとられている地域のコミュニティや運動教室等に参加しましょう。
  • バランスのよい食事を摂りましょう。

<高齢者のご家族や地域で見守りをする方へ>

  • 会話や声掛けをして近所での散歩など体を動かすように勧めましょう。
  • 日々連絡を取り、外出や身体活動の状況、行動や言動などの変化に留意しましょう。
  • 直接会えない場合はパソコンやスマートフォンを活用して、テレビ電話等のリアルタイムの動画通信でつながりを保ちましょう。
  • 感染症対策を実施し、各種運動教室等を実施・再開しましょう。

スポーツ庁:スポーツを通じた高齢者向け健康二次被害予防ガイドライン

年に1回は健康診断を
受けましょう

生活習慣病は、気づかないうちに進行していきます。
症状がないからといって、放置していると重篤な事態を招く危険があります。
定期的な健康診断で現状を把握して、問題があれば早めに対処するようにしましょう。

人との関わりを増やして体も心も健康に

日本老年学的評価研究機構(JAGES)
代表理事
千葉大学 予防医学センター 教授
国立長寿医療研究センター 部長
近藤 克則

近藤 克則

自粛生活で、要介護やうつ、認知症のリスクが増えています

コロナ禍(2020年4・5月)に減った活動と健康リスクは?

<回答数6000以上の活動の上位3つ>

  • 1.趣味(自宅外)の活動

    うつのリスクが1.34倍に!
    うつ
  • 2. スポーツ(運動)への参加

    要支援・要介護のリスクが1.46倍に!
    うつのリスクが1.37倍に!
    要介護 うつ
  • 3. 友人・知人との対面

    要支援・要介護のリスクが1.45倍に!
    うつのリスクが1.29倍に!
    要介護 うつ
※9介護保険者(12市町)において、新型コロナ流行期(2020年4・5月)の活動頻度が流行前と比べて減少した人で、2020年12月~2021年2月の健康状態が悪化した人の調査結果からリスクを算出(JAGES調べ)
元より、社会参加が少ないほど、認知症を発症する割合が高いこともわかっています。
※24の自治体の後期高齢者約3万人を対象にした追跡調査結果。社会参加とは、趣味、スポーツ、町内会、ボランティア、老人クラブ、業界、宗教、政治のグループへの参加(JAGES調べ)
認知症

つまり、社会参加が少ないと、
要介護、うつ、認知症のリスクが高まります。

  • 要介護
  • うつ
  • 認知症

うつ・認知症などの
健康二次被害を防止するために

感染予防をしながら外に出て社会参加をしましょう
社会参加をしている人は、うつや認知症になりにくいことがわかっています。
趣味やスポーツなど、これまでの活動を再開したり、新しい交流の場に出かけたり、
感染予防をしながら外に出て、積極的に社会参加をするようにしましょう。
ウォーキング
人との関わり・社会参加コロナ禍ではこんな工夫を!!

コロナ禍で外に出るのが心配な方は、インターネットを上手に活用しましょう。
メールや音声通話でも効果がありますが、顔が見える「ビデオ通話」はとくに効果的です。
インターネットが使えない場合は、手紙はがきでもいいので、人とのつながりを保ちましょう。

自粛中の高齢者のうつ発症を抑える効果の大きさ

  • ビデオ通話(顔が見えるもの)
  • 45%
  • 手紙、はがき
  • 35%
  • ソーシャルメディア(SNS)
  • 35%
  • メールやチャットなど
  • 25%
  • 音声通話(電話、LINE通話など)
  • 18%

(JAGES調べ)

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